大規模修繕のトラブルとその対処法を解説します!

  • 3月 13, 2024

大規模修繕を主導するのは、賃貸マンションであれば所有するオーナーです。一方、分譲マンションにおいては各部屋の所有者からなる管理組合が中心となります。

 

管理組合の中でも中心的役割を担うのは、理事会や修繕委員会などのメンバーとなります。ここで大切なことは、管理会社に任せきりではなく管理組合がしっかりと主体性を持つことです。入居者の理解と合意を得て、管理会社や施工会社と連携し、大規模修繕工事を円滑に進めていきましょう。

 

また、マンションの大規模修繕工事は、新築時とは違い居住者の生活する中での工事となるため、できるかぎり日常生活に影響を及ぼすことのないよう配慮する必要があります。足場が設置されたり建設資材や機器も搬入されることから、安全で安心な工事へ向けての対策も考えていく必要があります。

今回は、マンションの大規模修繕工事を進めていくなかで発生の可能性があるトラブルと、その対応策についてお届けします。

トラブル①修繕積立金の不足

大規模修繕の工事の費用は、居住者( 区分所有者)が納める修繕積立金より捻出されますが、まれに、長期修繕計画に基づいて算出された資金では足りないケースが見受けられます。

計画時の工事費用と実際の費用に大きな差があったり、計画に組み込まれていない重要工事が発生したり、予期せぬ資材や人件費高騰などの理由により、現実に即さない予算であることが考えられます。こうした事態に陥らないようにするためには、長期修繕計画の定期的な見直しや、収支状況の適切な管理が必要です。

 大規模改修の準備段階において万が一、資金不足が明らかになった場合の対策としては、以下の内容の検討が考えられます。

① 工事内容を見直し費用を抑える

② 大規模修繕工事の時期を見直す

③ 融資を受ける

④ 居住者( 区分所有者)から一時金として追加徴収する

まず最初に検討すべきは①工事内容の見直しにより費用を抑えることです。そのためには専門家・プロによる建物の診断を受け、劣化の状態を把握し、補修の緊急性の高い工事を優先させます。緊急性の低い箇所は、次回の大規模修繕まで持たせる内容に切り替えたり、資金の余裕が出た段階で部分的な工事を行うなど、施工会社や専門家のアドバイスを受けながら精査します。

場合によっては②大規模修繕工事の時期の見直しを行います。工事を先に延ばし、積立金が予算に達した段階で行います。ただし、この判断には建物の劣化状況との相談が必要不可欠です。

また③融資を受けるという選択肢もあります。金融機関や独立行政法人からの融資など支援先の確認を進めるとともに、将来の資金造成計画の見直しとセットで検討しましょう。

④居住者( 区分所有者)から一時金として追加徴収する事については、居住者全員の合意が取れる可能性がある場合は検討の余地があり、最終的に検討する項目と認識しておきましょう。

いずれにしても、修繕積立金の改定を含めた、修繕計画の抜本的な見直しを早期に実施することが必要です。

トラブル②工事中の音や振動など

大規模修繕工事が始まると足場や養生幕が張られ、多くの工事車両や作業員が出入りします。コンクリートの補修や修繕には機械音や振動が発生し、外壁の防水や塗装工事においては、ベランダ・バルコニーに出られず、窓が開けられない、洗濯物が干せない期間などもあり、居住者への配慮は欠かせない要素です。

事前に理解と協力を得られるよう、施工会社からの工事内容の説明を含めた丁寧な説明を入居者全体に行いましょう。居住者からの連絡や意見に対しては、施工会社とともに速やかに対応し解決へ向けて前向きに進めていきます。

そのためにも施工会社の選択は重要です。信頼性や技術力、提案の内容で評価することは大切ですが、さらに加えて基本的なマナーや礼儀の徹底した施工会社であることは、円滑に工事を進めていくために不可欠といっても過言ではありません。入居者への配慮ができ、コミュニケーションのできる会社であるかどうかも考慮に入れましょう。

最後に

大規模修繕工事を進めていく上で、議論や検討、選択と決定など行うことは多々ありますが、最も大切なポイントは円滑な「コミュニケーション」です。問題や解決方法を関係者と協議し、居住者と共有しながら大規模修繕工事を成功へと導きましょう。

みなさまの大規模修繕が無事に成功しますよう、心から願っております。

 

― 喜神サービスはマンションの大規模修繕工事を承っております ー

弊社は、県内のリフォーム実績NO.1の住宅総合リフォーム会社として広く認知されていますが、その実績の多くは外壁の修繕・塗装のリニューアル工事です。また、公共・法人・企業のリフォーム工事を数多く承っており、マンションやアパートの外壁塗装、大規模改修の実績も多数あります。

公共・法人の工事実績はこちら

https://www.kishinservice.co.jp/service/public_works/

㈱喜神サービスでは、お客さまのご要望に合わせた丁寧なヒアリングを行い、最適な提案をさせていただきます。また、建物の現場調査・診断・見積もり・プランの作成まで対応しております。まずは無料相談からご活用ください。

お見積もりやご相談はこちら

コラム

関連記事

沖縄のマンション管理者必見! 大規模修繕のコスト効率化のポイント

1月 29, 2024
大規模修繕工事を控えたマンションのオーナーや管理組合の理事・代表者には、建物全体や入居者、周辺地域まで巻き込む大がかりな工事を、滞りなく進めていくことが求められます。 そのための話し合いや検討をしていく中で

沖縄のマンション・アパートの大規模修繕から見えてきた建物の資産価値を高める方法

3月 13, 2024
ここ数年「投資」や「資産」に対する意識は高まっており、「増やす」という考えが広まりつつありますが、さらに大切な要素として「何を価値とするか、その価値をどのように高めていくか」があります。