マンションの築年数別に見る大規模修繕のポイント

  • 3月 13, 2024

マンションの大規模な修繕は、一般的に12年~15年ごとの周期で行われます。この周期は、国土交通省の公表しているガイドラインによるもので、大規模修繕工事の目安とされています。ですが、実際は劣化の状態、工法の選択、管理規約や計画などにより修繕の時期には幅が生じます。

 

国土交通省の改修によるマンションの再生手法に関するマニュアルによるガイドラインの年数(左側)と、おおよその範囲(右側)は以下のとおりです。

 

  • 1回目の大規模修繕 新築から12年~15年
  • 2回目の大規模修繕 24年~30年
  • 3回目の大規模修繕 36年~40年

 

また、地域性や周辺環境により修繕時期は変わることがあります。台風が多く紫外線の強い沖縄では建物の劣化が進みやすいため、ガイドラインを参考にしながらもそこに捉われすぎない専門家による詳細な診断をおすすめします。



今回は、築年数から見る大規模修繕のポイントと、国土交通省の実態調査から読みとれる工事割合のパーセンテージが高い工事内容を抽出し、わかりやすくまとめて紹介します。

 

新築から12年~15年・1回目の大規模修繕

新築から初めて行う1回目の大規模修繕工事は、経年により劣化した箇所を補修し、新築時の状態まで近づけることを目的とします。今やるべき工事に優先順位をつけると同時に、今後の修繕費用を抑えるためにも長期修繕計画を見直し、次回の修繕に反映させましょう。

 

〈主な工事内容〉 ※太字は必要とされる割合の特に多い工事

・屋上(屋根)防水

・外壁塗装(鉄部含む)

・外壁ひび割れ補修

・床部防水(バルコニー・ベランダ・外階段など)

・給水設備

・排水設備

・電灯設備

築24年~30年・2回目の大規模修繕

2回目の大規模修繕工事は、1回目よりも築年数が経過しているため、経年劣化もより進みます。ポイントは建物の土台となる部分にしっかり手を加えることです。コンクリートの基盤づくりに注力し、次の修繕に備えましょう。

〈主な工事内容〉 ※太字は必要とされる割合の特に多い工事

・屋上(屋根)防水

・外壁塗装(鉄部含む)

・外壁コンクリート改修

・床ぶ防水(バルコニー・ベランダ・外階段など)

・給水設備

・排水設備

・共用内部

・電気設備関連 情報通信設備(ネット回線など)含む

築36年~40年・3回目の大規模修繕

新築から30年~35年以上を迎える頃には、経年による劣化がより顕著に現れてきます。この先の30年をみすえた大幅なリニューアルの時期となり、建物本体の修繕以外にも、設備の大幅な更新が必要になってきます。

統計では主に「給水管」の工事割合が多く見られます。また外構や駐車場といった外回り、エレベーターの工事も同時に行われることが多いようです。共用内部(窓サッシ、玄関ドア)などにおいても、全体的に大きく更新されます。

〈主な工事内容〉 ※太字は必要とされる割合の特に多い工事

・屋上(屋根)防水 

・外壁塗装(鉄部含む)

・外壁コンクリート改修     

・床部防水(バルコニー・ベランダ・外階段など)

・給水設備

・排水設備

・共用内部

・電気設備関連

・外構、駐車場

このように修繕の1回目、2回目、3回目を連続的に捉えた上で修繕積立金や工事内容が予測され計画されますが、回を追うごとに改修範囲と深度(建物内部へ向けての劣化の深さ)は増えていきます。

特に費用増加が見込まれる3回目に備え、1回目・2回目においては建物本体の耐久性を高めておくことをおすすめします。

鉄筋コンクリート造の建物では、内部の鉄筋の錆とそれに伴うコンクリートの劣化が耐久性に大きく関わるため「コンクリート修繕」を行うことにより、将来的なリスクを回避できる可能性があります。

さらに長期間でのコスト効率化を考えるのであれば、連続的な施工が可能な工事会社に依頼することも効果的な方法のひとつです。

これは「修繕しなければならないもの」という考えから「修繕を積み上げていく」という考え方にシフトした形とも言えます。前回の修繕からゼロスタートで検討するよりも、より効率的な選択となります。この場合、長期に渡り信頼が担保される会社の選択が鍵となります。

最後に

ここまで、築年数から見た大規模修繕のポイントと、実態調査から読みとられる工事割合の高い工事内容を紹介しました。大規模修繕工事を行う際のお役に立てることがあれば幸いです。



ー喜神サービスでは、マンションの大規模修繕を承っておりますー

弊社は、県内のリフォーム実績NO.1の住宅総合リフォーム会社として広く認知されていますが、その実績の多くは外壁の修繕・塗装のリニューアル工事です。また、公共・法人・企業のリフォーム工事を数多く承っており、マンションやアパートの外壁塗装、大規模改修の実績も多数あります。

公共・法人事業の実績はこちら

https://www.kishinservice.co.jp/service/public_works/

㈱喜神サービスでは、お客さまのご要望に合わせた丁寧なヒアリングを行い、最適な提案をさせていただきます。また、建物の現場調査・診断・見積り・プランの作成まで対応しております。まずは無料相談からご活用ください。

お見積もりやご相談はこちら

コラム

関連記事

沖縄のマンション・アパートの大規模修繕から見えてきた建物の資産価値を高める方法

3月 13, 2024
ここ数年「投資」や「資産」に対する意識は高まっており、「増やす」という考えが広まりつつありますが、さらに大切な要素として「何を価値とするか、その価値をどのように高めていくか」があります。

沖縄のマンション管理者必見! 大規模修繕のコスト効率化のポイント

1月 29, 2024
大規模修繕工事を控えたマンションのオーナーや管理組合の理事・代表者には、建物全体や入居者、周辺地域まで巻き込む大がかりな工事を、滞りなく進めていくことが求められます。 そのための話し合いや検討をしていく中で

大規模修繕のトラブルとその対処法を解説します!

3月 13, 2024
大規模修繕を主導するのは、賃貸マンションであれば所有するオーナーです。一方、分譲マンションにおいては各部屋の所有者からなる管理組合が中心となります。